奈良県ため池条例事件

 この事件は、ため池の提とう(=土手)に農作物などを植えることを禁止した条例に違反したとして起訴されたものです。

 これについて、最高裁判所は、災害を未然に防ぐという社会生活上のやむをえない必要からくることであり、公共の福祉のため当然我慢しなければならず、この程度の制限は、財産権を有する者が当然我慢しなければならない責務であるから、憲法29条3項の損失補償も必要としない、としました(最大判一九六三年六月二六日)。