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『市民政府論』の翻訳として、ジョン・ロック著(鵜飼信成訳)『市民政府論』(岩波文庫)があり、本文の引用も原則としてこれに従っている。なお、入門書として、友岡敏明ほか著『ロック市民政府論入門』(有斐閣新書)がある。彼の思想の検討は、主に政治思想史において多くの蓄積があるので、政治思想史の文献を参照されたい。とりわけ、丸山真男「ジョン・ロックと近代政治原理」(同『戦中と戦後の間』〔みすず書房〕に所収)、田中正司著『増補ジョン・ロック研究』(未来社)が参照に値する。ジョン・ロックの思想についての憲法学からの最新の検討としては、愛敬浩二『近代立憲主義思想の原像』(法律文化社、2003年)があり、ジョン・ロックが憲法学においてどのように扱われてきたのかについて整理が21頁の注21にある。 トマス・ホッブス『リバイアサン』の翻訳としては、水田洋訳『リバイアサン(1)〜(4)』(岩波文庫)がある。ルソーの『社会契約論』は、桑原武夫・前川貞次郎訳『社会契約論』(岩波文庫)、平岡昇訳『社会契約論』(中公文庫)、作田 啓一・原 好男『社会契約論・人間不平等起源論』(白水社)などがある。この本での引用は、前者による。モンテスキューの『法の精神』は、野田良之ほか訳『法の精神(上・中・下)』(岩波文庫)がある。なお、『近代の政治思想』(福田歓一著・岩波書店)は、社会契約説の前提となる考え方をていねいに説明してくれる。