1999年度(平成11年度)
【問21】日本国憲法における天皇に関する次の記述のうち、正しいものはいくつかるか。
ア 天皇は、国会の指名に基づいて、内閣総理大臣を任命する。
イ 天皇は、内閣の助言と承認により、両議院を解散する。
ウ 天皇は、国会の承認を経て条約を締結する。
エ 天皇の国事に関する行為については内閣の助言と承認を必要とし、天皇
は、その行為の責任を負わない。
オ 憲法改正及び法律の公布は天皇の国事に関する行為であるが、政令及び
省令の公布は、天皇の国事に関する行為ではない。
1 一つ
2 二つ
3 三つ
4 四つ
5 五つ
問22 日本国憲法における基本的人権に関する次の記述のうち、最高裁判所の判
例に照らし正しいものはどれか。
1 学問の自由には教授の自由も含まれるのであり、普通教育においても、
大学における教授の自由と同じように、完全な教授の自由が認められる。
2 憲法は義務教育を無償とする旨を規定しているが、これは、授業料を徴
収しないことを意味し、教科書、学用品その他の教育に必要な一切の費用
まで無償としなければならないことを定めたものではない。
3 国は、国民の付託に基づき公教育を実施する権限を有するものであり、
教育の内容についても、自由に決定する権能を有する。
4 国民は、法律の定めるところにより、その能力に応じて、等しく教育を
受ける権利を有するので、少年を少年院に送致した結果、高等学校教育を
受ける機会を失わせることは、憲法の規定に反する。
5 教科書検定は、教育内容が正確かつ中立・公正で、地域、学校のいかん
にかかわらず全国的に一定の水準であることを確保するためのものであっ
たとしても、行うことは許されない。
問23 日本国憲法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
1 衆議院及び参議院の議員は、原則として、国会の会期中逮捕されないこ
とになっているが、この特権は、院外における現行犯罪の場合やその院の
許諾がある場合は除外されている。
2 国会は、国の唯一の立法機関であるが、地方公共団体も法律の範囲内で
条例を制定することができる。
3 衆議院と参議院との関係においては、法律案の議決、予算の議決、条約
締結の承認及び内閣総理大臣の指名についていずれも衆議院の優越が認め
られている。
4 衆議院が解散された場合、解散の日から40日以内に衆議院議員の総選挙
を行い、その選挙の日から30日以内に、国会を召集しなければならない。
また、衆議院議員総選挙の後に初めての国会の召集があったときは、内閣
は総辞職をしなければならない。
5 両議院の議事は、憲法に特別の定めのある場合を除いて、出席議員の過
半数で決するが、懲罰によって議員を除名する場合、法律案について衆議
院で再可決する場及び憲法改正を発議する場合は、いずれも出席議員の3
分の2以上の賛成を必要とする。
問24 内閣総理大臣に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
1 内閣総理大臣の指名は、衆議院が先に議決しなければならず、その後に
行われる参議院の議決と異なった場合は両議院の協議会を開き、それでも
意見が一致しないときは、衆議院の議決を国会の議決とする。
2 内閣総理大臣は、閣議の決定を経て国務大臣を罷免することができる
が、国会において国務大臣の不信任の決議案が可決された場合は、閣議の
決定を経ずに国務大臣を罷免することができる。
3 内閣総理大臣は、憲法の規定上はその他の国務大臣と平等の関係にあ
り、慣習として内閣を代表しているものである。
4 内閣総理大臣は、その他の国務大臣と同様に文民でなければならない
が、必ずしも国会議員であることを要しない。
5 内閣総理大臣を除く国務大臣の過半数が辞職した場合であっても、内閣
は、総辞職をしなければならないわけではない。
問25 日本国憲法における司法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
1 最高裁判所の裁判官は、内閣の指名に基づいて天皇が任命し、下級裁判
所の裁判官は、最高裁判所の指名した者の名簿に基づいて内閣が任命す
る。
2 最高裁判所の裁判官は、国民審査又は弾劾裁判所の裁判によらなければ
罷免されない。
3 最高裁判所の裁判官は、衆議院議員の総選挙又は参議院議員の通常選挙
のうち、その任命後最初に行われる選挙の際に国民審査に付される。
4 最高裁判所の裁判官は、国民審査において投票者の多数がその裁判官の
罷免を可とするときは、罷免される。
5 下級裁判所の裁判官については、国民審査の制度がなく、任期が20年
と定められているが、任期満了の際に再任されることができる。
問26 我が国の財政に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
1 予算の提出権は内閣にのみ属するので、国会議員は、予算を伴う法律案
を提出することはできない。
2 国会の議決を得た予備費の支出は内閣の責任においてなされ、内閣は、
すべての予備費の支出について、事後に国会に報告する義務を負う。
3 法律で国費の支出を要する行為が定められている場合であっても、それ
らの行為に伴って国費を支出するには、国会の議決に基づくことを必要と
する。
4 会計検査院は、毎年国の収入支出の決算を検査し、次の年度に決算の検
査報告とともに、決算を国会に提出しなければならない。
5 宗教上の組織又は団体の使用、便益又は維持のために、公金その他公の
財産を支出し、又はその利用に供してはならないが、公の支配に属しない
慈善事業に対しては、公金その他の公の財産を支出し、又はその利用に供
することができる。